プロペシアとは?
プロペシアは「飲む育毛剤」とも呼ばれ、錠剤として服用する「薄毛治療薬」です。
主に「男性ホルモン」が髪の毛に及ぼす影響を防ぐ(抑制する)ことにより、弱く細くなってしまった髪を「太くたくましく」してくれるお薬になります。
プロペシアは「アメリカ食品医薬品局(FDA)」が認めることでも知られています。



FDAとは…
アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration)の略称。
食品などを取り締まるアメリカ合衆国の政府機関であり、日本の厚生労働省に似た役割を持っています。
つまり、プロペシアは「医学的に発毛効果が認められた薄毛治療薬」なのです。
日本では、2005年12月から発売され、世界では「60カ国以上」で承認されています。
プロペシアを処方するクリニックも多く、現在では「薄毛治療には欠かせないお薬」となっていますね。
また、プロペシアの価格について、病院(クリニック)だと1ヶ月10,000円ほどしますが、通販(個人輸入)を利用すると5,000円と半額近い値段で購入することも可能です。
価格が安いことは「長く継続するほど助かる」ため、個人輸入の通販サイトを利用して「プロペシア」や「プロペシアのジェネリック(フィンペシアなど)」を購入する人が増えているという実情もあります。
育毛の仕組み(プロペシアの作用)
成人男性の薄毛(ハゲ)の約90%は「AGA(男性型脱毛症)」と言われています。
AGAの主な原因は、ジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンが、毛根に影響して発症します。
DHTは男性ホルモンの一種である「テストステロン」に「5αリダクターゼ」という物質が働きかけることで生まれるとされています。
プロペシアの主成分である「フィステリド」は、その5αリダクターゼ(還元酵素)を阻害し、DHTの髪の毛への働きを弱めることで ヘアサイクルを正常にし、薄毛を改善します。


図(1):プロペシアのメカニズム
プロペシアは日本皮膚科学会が推奨
2010年4月に発表された日本皮膚科学会の「AGA治療のガイドライン」では、プロペシアとミノキシジル製品が5段階評価の中で最も高評価のAを獲得しています。
つまり、現段階の医学では「最も推奨される治療法」ということがわかります。
※2017年の改訂版でも最も有効な治療法だとされています
評価 | 主な治療方法 | |
A | 強く勧められる | フィナステリド 内服(男性) デュタステリド 内服(男性) ミノキシジル 外用(男性、女性) |
B | 勧められる | 自毛植毛(男性) 育毛成分 アデノシン(男性) |
C1 | 考慮してもよいが、十分な根拠がない | 育毛成分(t-フラバノン、アデノシン、サイトプリン、ペンタデカン、ケタコナール) |
C2 | 根拠がないので勧められない | セファランチン(飲み薬の1種) 育毛成分 ビマトプロスト |
D | 行われないよう勧められる | 人工毛植毛 フィナステリド 内服(女性) デュタステリド 内服(女性) ミノキシジルタブレット |
※上記は一例です
フィナステリドは「プロペシアの主成分」であり、含有量として「0.2mg」と「1mg」の商品があります。一般に標準として使用されているのは「1mg」の方ですね。
ちなみに、評価C1にあたる薬局で買える「育毛剤(化粧品の扱い)」などは、専門家からみた効果は残念ながらさほど無いということになるそうです(AGAに対して)
また、このガイドラインを参考にすると、現代の薄毛治療、予防には、プロペシア(フィナステリド)と、ミノキシジル(外用)が最も期待でき、必要不可欠なようですね。
ただ、AGAは「遺伝による影響」が大きいため、完治することは出来ないと言われていますし、両方ともそのようなお薬ではありません。
そのため「長期間」にわたって使用しなければいけなく、使用をやめてしまうと効果が無くなってしまいます。



※プロペシアの通販方法や価格については次のページが参考になります。
プロペシアの「発毛効果」と「作用機序」
プロペシアの「発毛効果」「副作用」「飲み方」について、少し深掘りしていきましょう。
解説を含め、少し難しい部分(長くなる部分)もあるので、必要な箇所だけを読んでもらっても参考になるかと思います。
成人男性の90%以上の薄毛を改善:臨床試験の結果
まず「効果」として、プロペシアには科学的根拠(エビデンス)があります。
プロペシア(1mg)の服用で、1年後には「58%」2年後には「68%」3年後には「78%」の男性に薄毛改善(脱毛抑制、発毛促進)があったことが報告されています。
また、現状を維持しているという回答も含めると「98%の男性が3年間薄毛の進行が認められなかった」とされています。
※さらに長期間(5年間)でみても、90%の男性が改善または現状維持という結果
※プロペシアは髪の毛を増やすだけではなく、髪の毛を太くする効果もあるといわれています。
これらのデータはしっかりと試験(臨床試験)を元に出されている数字なので、プロペシアは多くの男性の薄毛改善に役立つことがわかりますね。
男性型脱毛症(AGA)以外の円形脱毛症などにはプロペシアの効果は期待できないとされているので、薄毛の原因が分からない場合は専門のクリニック(または病院)で検査してもらいましょう。
ちなみに、薄毛に悩む男性の「約9割」はプロペシアが有効な「AGA」だと言われています。
参考:MSD(万有製薬)
守りが得意なプロペシア:脱毛を抑制
プロペシアの効果は主に「脱毛抑制(5αリダクターゼを阻害)」の面が強いことから「守りの成分」と言われることがあります。
そのため、現代の薄毛治療ではまず、プロペシア(フィナステリド)を服用して薄毛の進行を止め、発毛効果の高いとされるミノキシジル(攻めの成分)を使うのが主流となっています。
プロペシアやミノキシジル発毛剤は、アメリカ食品医薬品局(FDA)も認めている商品であることから、医学的に最も効果の期待できる薄毛治療方法とされていますよ。


最低でも6ヶ月間の継続:初期脱毛が見られることも
プロペシアは、痛み止めや、風邪薬のように「すぐに効くお薬」ではありません。
もちろん、1回飲むだけで ふさふさになるような「魔法のお薬」でもないですよ。
個人差はあるものの、効果を実感するのは早くても「3ヶ月以上」と言われており、一般には「最低でも6ヶ月間は服用するように」と説明を受けます。
長期間にわたって飲み続けることで変化させ、髪の毛が元気に育てる頭皮環境を目指しましょう。
また、使用開始時(最初の1ヶ月間など)は「初期脱毛」という髪が抜けやすくなる症状がみられるケースが多くなりますが、この時点でプロペシアの服用をやめてしまうと、効果を判断することができなくなってしまうそうです。
最初に起こりやすい初期脱毛の期間は、ある一定期間であり「髪の成長サイクルを正常にするために起こる症状」と言われています。
プロペシアを飲み始めてから髪が多く抜けると不安になりますが、焦らずじっくり効果がでるのを待つのが基本になります。
使用をやめると薄毛は進行する:飲み続ける必要がある
AGAという脱毛症は「進行性」の薄毛になります。
そのため、プロペシアで薄毛が改善したとしても、使用を止めてしまう(中止してしまう)と元に戻ってしまいます。
プロペシアは男性ホルモンの働きを抑えるお薬なので、使用を中止すれば「元のホルモンバランス」に戻ってしまい、その結果として薄毛が進行します。
プロペシアの効果を維持したい場合は「服用し続ける必要がある」というよりも、必須になるワケですね。
このため、長期間に渡って薄毛治療を続けるには「やっぱりコストも大事」という結論にたどり着く方が多いのです。
プロペシアの副作用
プロペシアは高い発毛効果が期待できる一方、お薬なので副作用が出る可能性もあります。
また、ネット上では過剰に煽る傾向にあるため、心配される方も多いのではないでしょうか?
副作用の頻度は少ない:1%未満で比較的安全
主成分であるフィナステリドは、元々が「前立腺肥大症の治療薬」ということもあり、男性ホルモンであるDHTの生成を抑制するため、発現率は低いながら性機能に関連する副作用が出る場合があることが知られています。
以下は、プロペシアの服用で考えられる副作用とその発現率です。
副作用の種類/頻度 | 頻度不明 | 1~5%未満 | 1%未満 |
過敏症 | 痒痒症、蕁麻疹、発疹、血管浮腫(口唇、舌、咽喉及び顔面腫脹を含む) | - | - |
生殖器性機能障害 | 睾丸痛、男性不妊症・精液の質低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常等) | リビドー減退 | 勃起機能不全、射精障害、精液量減少 |
肝機能 | AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇 | - | - |
その他 | 乳房圧痛、乳房肥大、抑うつ症状、めまい | - | - |
もっとも頻度が高いのは性欲(リビドー)減退で「1.1%」次いで、勃起障害(ED)が「0.7%」と続きます。
ただ、性欲減退以外の副作用の頻度はすべて「1%未満」となっていることから、プロペシアは医師(専門家)の間でも「比較的安全な薬」という位置付けになっています。
日本国内で行われた臨床試験では主成分であるフィナステリドを1mg含んだプロペシアで性欲減退や胃の不快感など5%程度の人に副作用が報告されました。
しかし、有効成分のはいっていない錠剤(プラセボ)の服用で起こった副作用と同程度の結果になります。
※このような偽薬の服用をした患者と比較することをプラセボテストといいます
肝臓の障害がある人は注意:医師に相談が必要
プロペシアの副作用について、ひとつ加えておく必要があります。
販売元の万有製薬(MSD)は、発生の頻度は不明ながら「肝臓障害」が起こる可能性があると2007年に発表しました。
肝臓に障害がある場合は服用をやめることはもとより、副作用が気になる場合は病院で血液検査などをしてもらい健康管理に気をつけましょう。
プロペシアの飲み方・服用方法
最後にプロペシアの正しい飲み方について基本の部分のみを簡単に紹介します。
間違った服用方法は副作用などが大きくなる可能性があるので、自己流の飲み方は避けてください。
使用量は0.2~1mg:1日1錠
プロペシアの服用方法はシンプルです。
1日1回、1mg(または0.2mg)を、水(白湯)で飲みます。
1日の上限は「プロペシア1mgを1錠」
早く効果を実感したいと、何錠も飲むのはやめましょう。
食後など決まった時間に飲む:習慣化し飲み忘れも防止
プロペシアの主成分であるフィナステリドは24時間程度で体内から多くがなくなります。
ちなみに、半減期は「3~5時間程度」と言われています。
そのため、フィナステリドが体内から無くなる時間ができないように毎日決まった時間帯やタイミングでプロペシアを飲むことが一般的とされています。

2錠まとめて服用するのは推奨されていませんよ。


※1日飲むのを忘れたからといって効果がなくなるわけではないので、焦る必要はありません。固く考えず無理なく続けれるようにしましょう。
服用は男性のみ:未成年や女性の服用は禁止
成人男性以外はプロペシアを服用してはいけません。
プロペシアは、ホルモンに大きく影響するお薬なので、女性は絶対に服用しないよいように禁止されています。
とくに、分割などでコーティングのはがれたプロペシアへは、触れないように気をつけてください。
妊娠中の女性がプロペシアを服用(触れたり)すると、胎児の生殖器官などの発育に影響を及ぼす危険があります。
詳しくは、厚生労働省のプロペシアに関する注意喚起で確認ください。
献血は禁止なので注意:フィナステリドが輸血されるのを防ぐ
プロペシアの服用中は血液にフィナステリドが含まれるため献血が禁じられています。
理由は、妊婦など女性に主成分のフィナステリドが輸血されるのを防ぐためです。
献血をするためには「1ヶ月以上」プロペシアの使用を中止する必要があるそうです。